アシナガバチ

アシナガバチの巣

 猛暑。 今年の夏はひときわ、思う。

 先日学院長が珍しくハチに刺された。 ハチがこの暑さには寛容か耐え難いかは知らないが、猛暑がハチを攻撃的にさせるのだろうか。


 数日痛みが引かなかったようだが、そのハチらしき巣がエアコンの室外機の下にあるというので急行した。


 なるほど、かわいいハチが数匹、巣を守りながらこちらを見ている。どうやらアシナガバチのようだ。


 なるほど刺されても大したこと(アナフィラキシー・ショツク)はなさそうだが、他にも刺されて被害が出る前に駆除することにした。

 市販の殺虫剤1回の噴霧は、いとも容易く数匹のハチがボタボタと地面に転落し、苦しむようにもがいている。


 もはや守るべき親がいなくなった巣は造作なく私の掌に収まった。巣の中では幼虫が蠢いているのが見える。


 子供の頃には同じようにここから巣を分解したものだ。幼虫は近くのアリの餌となるのをみていた気がする。


 さて、ハチの巣である。どうしたものだろうか。


 駆除したはしたが、子供の頃の残酷な回想を思い出し、その対処に困ってしまった。踏みつぶすなり、水に漬けるのも簡単だが、むやみな殺生を戒めたい気持ちもある。


 敬虔な仏教徒でもないが、山川草木悉皆仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう=山川草木や生類すべてに仏性があるとする考え)というではないか。


 ましてやアシナガバチは蛾などの害虫の駆除を行ってくれる益虫でもあるのだ。むやみにハチを害虫扱いし、殺虫剤を噴霧してしまったのだが、これで良かったのだろうか。


 アシナガバチの巣駆除から、遠い記憶と万物の命を考えさせてくれた酷暑の一日となった。

 
                               H30.8月26日(日)   文:主任・岡村昌英